常識はずれの名前である。
「五百蔵 」を「いおろい」と読ませる強引さは犯罪にちかい。武蔵小山撞球隊のメンバーは何度聞いても名前を覚えることができず、少しづつ誤って伝えられた結果「いそろくちゃん」が定着した。
彼女の持ち味は、白昼堂々と下ネタをぶちかます度胸と、故郷兵庫県の山中で鍛えた足腰にある。
強靱な足腰にモノをいわせて、彼女は埼玉の試合にまで出場する。よほどビリヤードが好きなのだろうと感心していたら、優勝賞品のカスタムキューに目がくらんだだけだった。物欲が旺盛なのかもしれない。
彼女は今日もインターネットを検索する。そして黙々と各地の試合情報と賞品をメモする。「捕らぬたぬきの皮算用」という言葉を知っているのかどうか・・・
キュー一本ぶらさげて各地で試合を挑む姿は剣法修行者にも似ているが、彼女の旦那は松尾芭蕉以外にはつとまるまい。
|