彼の球こそはビリヤードというスポーツの領域を凌駕し、もはや芸術と呼ぶべきであろう。そのプレースタイルは歌舞伎を想わせる。ただの手球が彼の手にかかると魔法のように操られるのだ。その華麗さは「手球が息をしている。」と評される。
彼は瞑想する。椅子をならべ横になって瞑想する姿は神々しい。シャイでナイーブな彼はイメージトレーニングを 大事にするのだ。これを「寝ている」というのはヘタッピのたわ言である。
ダンディーボスのもとには弟子入りを希望する女性が後を絶たない。かれは孤独を愛するが、熱意に負けて弟子入りを許可する場合もある。この、頼まれればイヤといえないサムライスピリッツこそがボスの真髄といえよう。
彼のたどりつく先は「人間国宝」なのだろうか。
真理を求めてひとり旅する姿は、修行僧に似ている。
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