愛称「ヘルニア」の由縁は簡単で、それはかれがヘルニアだからである。
それもかなり重症らしくいつもナナメに歩いている。その角度は、ヒトと蟹の中間くらいだろう。
高校時代はサッカー選手でインターハイ出場の経歴をもつが、これなどは当時の日本サッカーのレベルがいかに低かったを示す一証左といえる。
変態である。
結婚披露宴の「お色直し」のとき、かれは新妻にセーラー服を着せようとした。この計画は親族の猛反対のまえにとん挫したので、現在はわたしの娘のセーラー服をねらっている。
日本史上にのこる大バカヤローといえよう。
時は愛を風化させる。
球屋に入り浸りのかれは家に帰ると妻の暴力にさらされている。
それがだんだんエスカレートした結果、先日ついに「飛びひざ蹴り」を食らうに至った。
「なぜジャンプする必要があったのだろう?」
かれは首をひねり続けている。