「用語集」に収められた数々の用語のなかで、たとえば「赤紙」「小野小町」「共産党」いずれもビリヤードとの関係は不明であるが言葉そのものの意味はわかる。
だが何のことやら皆目意味不明なのが「わっさい」であります。
わかるはずがありません。これは叫び声なのです。
だが叫び声にしてもおかしい。
「わー!」とか「きゃー!」などはよくあるが「わっさい」は聞いたことがない。
なんなの? なにか意味あるの?
ご回答申し上げます。
「わっ! 最低!」を略したのが「わっさい」であります。
つまり失敗したときに思わず口からこぼれ落ちる慟哭(どうこく)の叫び、それこそが「わっさい」なのです。
1年ほど前にBと山崎が共同開発した「わっさい」はペスト並のスピードで伝染した結果、いまやニコスでは1日150回以上使用されております。
以前外国人の客がビリヤード用語だと勘違いしたらしく、その人は失敗するたびに「わっさい」とつぶやいておられました。
こうした経緯でまちがった日本語が外国に伝わるのにちがいありません。
余談になりますがわたしは知り合いのアメリカ人が帰国する時、日本のことや私のことを忘れずにいて欲しい、との願いを込めてひとつのことわざを教えました。
「アメリカに帰ってもオレのことを忘れないでほしい。」
「ウン、ゼッタイゼッタイ ワスレナイ アルネ。」
「じゃあ日本のことわざを教えるから友達にも教えてやってくれ。そしてその時、オレのことも思い出してほしい。」
「 ウレシイ〜。ミンナ ニ ハナスワ。ドンナ コトバ?」
私は教えました。
「困ったときは武富士」
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