今回はまじめな話をしよう。
5・9(ジャパン)の9番が上図の配置になった。
サイドに入れるのはもちろんだが次のブレイクも欲しい。
(初心者の皆さまのためにご説明いたします。「5・9」「ジャパン」と呼ばれるゲームの場合、9番をポケットインした後、手球を上図の斜線部分で止めれば次のゲームのブレイクができます。)
ただしフリは逆である。
さて、あなただったらどうしますか?
上図が「小杉出し」である。
小杉というのは1990年頃、全日本選手権をはじめ数々のタイトルを総ナメにした攻撃型ビリヤードの最右翼小杉純一のことだ。
この球がそれほど特殊な球というわけではないが、小杉純一が多用した事からわれわれは「小杉出し」と呼んでいるのである。
9番に至るまでの経緯はともかくとして、かれは最後の9番はほとんどサイドに出しに行きフリが逆になると小杉出しで締めくくった。
この球を小杉ビリヤードの「真打ち」と呼んでも差し支えあるまい。
実際、小杉のキュー切れはすさまじかった。
わたしは考える。
「キューが効く」とか「キューが切れる」等と表現されるが、「キュー切れ」とは何であろうか?
小杉によると大事なのはタイミングだという。
ボクサーがパンチを出す時、拳は軽く握っておいて当たる瞬間にクィッと強く握るのだそうだ。ビリヤードの場合も同じで、インパクトの瞬間にクィッと強く握る、そのタイミングこそが重要らしい。
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