BOSSはうさん臭い情報を入手した。
「穴のあいたシャフトを使っている男がいる」
「穴のあいたシャフト」?
またまたあやしい武器が登場したものだ。
ここ10年ほどの新兵器開発にはめざましいものがあるが、じつのところBOSSは時代の流れに全くついて行けていない。
カラオケでも「時代おくれ」ばかり歌っているし、 車に例えると、
↑↑↑↑こんな感じ↑↑↑↑
最近は細い木を組み合わせた「ジグソーパズル」みたいなシャフトや、美容整形じゃあるまいに中心に異物を入れたのもあるそうだ。
「異物を混入するのは鼻と乳だけにしてくれ!」と叫ぶBOSSのかたわらで、世間ではこれを「はいてくしゃふと」と呼んで重宝しているという。
そしてついに「穴あき」。
これは「文明開化」なのか?
それとも高齢者をおちょくっているのか?
『BOSSのひとりごと』
穴あきしゃふと? なんじゃ?
わしの若いころは、穴があいとるものといえば「ぴすとる」と「土管」と「あそこ」くらいのものだったんじゃがのぉ。
じゃが、しゃふとに穴あけたら、シロアリが巣を作るど。
どぎゃんすっとかね?
BOSSに先立って「危険物処理班」じゃこが現場に急行した。
じゃこは「ROOTS」(阿佐ヶ谷)で容疑者を確保したという。
「きびしい取り調べをせにゃなるまい。」
BOSSは阿佐ヶ谷に向かった。
上の写真が問題の「ブツ」である。
シャフトに黒い線があるが、これは彫刻刀で削っているのではなく向こう側まで貫通している。
こんな感じで、この穴が直角方向にもうひとつある。
つまり、シャフトが4分割されているのだ。
衝撃を4本の柱で支えているのと同じ理屈だ。
建築に例えれば、これは
構造力学
若いころ建築家をめざしていたBOSSの出番である。
△ABDと△ACDにおいて
AB=AC
AD=AD
∠BAD=∠CAD
これにより、2辺とその間の角がそれぞれ等しいから、
△ABD≡△ACD
よって、BD=CD
∠ABD=∠ACD(底角が等しい)
また、∠ADB=∠ADC、∠ADB+∠ADC=180°
これより、∠ADB=∠ADC=90°(垂直になる)
これにより
「二等辺三角形の頂角の二等分線は底辺を垂直に二等分する」
(証明終り)
・・・・・
ま、まあ要するに、見越しが少なくヒネリが乗りやすいってことだ。
「見越し」については撞き方の問題もあるので省略するとして、同じヒネリが今までよりも手球の内側を撞いても出る。
なるべく手球の中心付近を撞きたい人にはいいシャフトだろう。
「ゼロスカート」という名前だそうだ。
さて、「ROOTS」はにぎわっていた。
3C3台、ポケット4台が昼3時ころには埋まっていたのだ。
ちょうどうまい具合に男3名女3名が集まったので「ペアマッチ」が始まった。
ところが、
女性陣が強い強い。
「メイさん」は国体3位の強豪だし、BOSSと組んだ女性も入れる入れる。
男性陣はにこにこ笑いながらも、そのじつ冷や汗をタラーと流して震え震え撞いたのである。
「ペアマッチ」とは名ばかりの「かかあ天下マッチ」。ひえー。
帰りに阿佐ヶ谷商店街で「いりこ」を買った。
住みやすそうないい街だ。
『参考文献』
じゃこ日記
まいにちビリヤード
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