7/28(土)。
前回の勝利で首位奪還を果たした「根性S」はJPA目黒・品川地区の第6試合をむかえた。
対戦相手は現在3位、僅差で肉迫する「TFF」(五反田アカデミーZ)である。
独走態勢を築くためには是が非でも勝っておきたいところだ。
『この日のメンバー』
(1)じゃこ
(2)はじめちゃん
(3)ジョニー
(4)おっさん
(5)かおるちゃん
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「根性S」はメンバー編成に苦慮した。
イボ痔に苦しむ立川以外の全員が、この日ヒマだったのだ。
馬に食わせるくらい選手がいるが、5人に絞らねばならん。
「余剰人員の削減」
リストラの嵐は「根性S」を直撃したのである。
「根性S」のコワッパ共は労働組合を結成した。
そして目黒権之助坂でデモ行進を繰り返したのだ。
「リストラ、ハンタ〜イ!」
ベートーベン並の苦悩がBOSSを襲った。
そしてついにかれは悟りをひらいたのである。
「莫妄想」
最初のメンバーが発表されたとき、東京都は失望のため息に包まれた。
それは主力のBOSSとじゃこを除くコワッパだけの編成だったのだ。
このチームは「史上最弱」とうわさされた。
『コワッパブラザーズ』
(1)はじめちゃん 将来は明るいが、現在は暗い
(2)けいちゃん カスタムキューを買って破産、現在栄養失調
(3)ジョニー 事情をのみこめていない
(4)おっさん 問題外
(5)かおるちゃん 踊りすぎて筋肉痛
BOSSは言い放った。
「今回はコワッパだけで戦いなさい。ただしボロ負けを食らったらキミたちを4本指のカンチョーが待っているぞ。」
プレッシャーに耐えきれない選手が出た。
けいちゃんである。
かれは心因性下痢に苦しみつづけたあげく、自律神経をやられてまっすぐ歩けなくなった。しかも肛門には、イボ痔の上にもうひとつのイボができる「二段イボ痔」が誕生していた。
カンチョーは痔の天敵である。
じゃこの登場になった。
試合はかおるちゃんがめでたく2勝目をあげ、最後はジョニーの大マクリが炸裂して52ー48で辛勝。
かろうじて首位の座を死守したのである。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
試合後、作戦会議がひらかれた。
他チームの作戦会議は「腐った立飲み屋」や「近所の体育館の裏」で開かれることが多いと聞くが、名門「根性S」ともなれば
「目黒雅叙園」
である。
だが、川のながれるトイレで迷子になる者や、「ウソの日本」を思わせる屏風に見とれる者が続出して会議にならず、とりあえず館内にあふれるマイナスイオンを胸いっぱいに吸い込んだ一同はそれなりに満足して帰途についたのである。
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