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６／１０（日）。
武蔵小山撞球隊は３人チームのJPA団体戦トーナメントに出場した。
JPAの第１シーズンは先週で終わり、第２シーズンは来週から始まる。その間の「お祭り」である。
武蔵小山撞球隊からは２チームが参戦。
『根性S』
BOSS・じゃこ・けいちゃん
『目黒エンペラー』
深沢・志穂・ピョン吉
試合に先立って「根性S」では新しいチーム名を募集した。
「根性S」はすでにラスベガス挑戦権を獲得しているので、第２シーズンは別のチーム名で参戦しようというふかい考えからである。
ラスベガスでも通用するチーム名。これが肝要である。
BOSSは国際的なネーミングに苦慮した。
（註：チーム名を募集しております。採用された方にはBOSSのチュー♪がプレゼントされます）
『BOSS案』
（１）ハラキリ
（２）フジヤマゲイシャ
（３）ギブミーチョコレート
（４）カミカゼ
（５）リメンバーパールハーバー
（６）どすこい
（７）ジョン万次郎
（８）困ったときは武富士
「困ったときは武富士」については説明が必要であろう。
１０年ほど前、BOSSにはアメリカ人の友人がいた。
ダラス出身のMr.ダンである。
たいへんなエリートで経営指導のために日本に来ている男だった。BOSSはこの男と一緒にプレスリーを歌ったりして仲良しだった。そしてかれはBOSSを「オヤブン」と呼んでいた。
ある日のこと、Mr.ダンはBOSSに告げた。
「オヤブン。ワタシあめりかニ帰リマス。トテモトテモサビシイ。」
BOSSは言った。
「よし。じゃあ日本のことわざを教えよう。このことわざを仲間に教えてやってくれ。そしてその時オレのことを思い出してくれ。」
そうして教えたのが
「困ったときは武富士」だったのである。
あれから１０年。
Mr.ダンは几帳面な男だったので 「困ったときは武富士」は今やアメリカ全土に知れ渡っているにちがいない。
これに対してじゃこが叫んだ。
「異議あり！！」
じゃこによるとアメリカでは「禅」が流行っているそうだ。
『じゃこ案』
（１）禅
（２）歌舞伎
（３）空手
（４）輪廻解脱
・・・・・
結局チーム名はまとまらず今回は「武蔵小山撞球隊」での参戦になった。
一方の「目黒エンペラー」は、まずはラスベガス挑戦権が目標なのでそのまま「目黒エンペラー」での参戦である。
そして・・・
「目黒エンペラー」はワッペンを製造していた。
このワッペンをチーム全員が身につけることで団結力を高めようというのだろう。
馬子にも衣装である。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
試合前日、BOSSは軽く調整に出かけた。
１〜２時間転がして後は焼酎を飲んで寝る。そして翌日は朝シャンして試合会場に乗り込む。
これが３２年かけて編み出したBOSSの「勝利の方程式」なのだ。
だが・・・
調整するBOSSを薄ら笑いをうかべて見つめる男がいた。
「悪魔の申し子」安原である。
案の定安原は話しかけてきた。
「ピン倒しやりましょうよ。ピン倒し。」
「いや。明日ポケットの試合だから遠慮しておく。」
「あっ、逃げるんですか？ ほほ〜。ビビってるんですね。」
こ、このガキ。
ちなみに安原は岡山県人。BOSSは広島県人。
隣県同士が仲がわるいのは世の常である。
瀬戸内海の田島と横島がどれほど仲がわるいか君は知っているか？
ピン倒しが終わったのは明朝６：３０。
集合時間まであと３時間しかない。
BOSSはすべてをあきらめた。
Tシャツを球屋の流しで洗濯し、トイレの石鹸で朝シャンしたのである。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
試合が始まった。
BOSSは夢遊病者のように台のまわりをウロウロした。
そしてBOSSは悟った。
（１）サムタイムの球は楕円形である。
（２）サムタイムの台はコーナーが直角ではない。
悟りを開いた頃、試合はむなしく終了していた。
読者諸兄にタメになる情報をひとつ。
ヘロヘロに疲れると、コーナーの角度が直角よりも広く見える。
BOSSの感覚によると、９５度くらいである。
そしてその時、レール際の球は非常に入れにくい。
こういう場合は、キューの位置を顔の真下よりも少しだけ利き目の方に寄せるのがいいようだ。
さらに順ヒネリは禁物である。
「疲れた時は逆ヒネリ」
これだっ！！
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