ここに通称「じゃこ」と呼ばれる女性ハスラーがいる。
「じゃこ」は武蔵小山撞球隊の正式メンバーではないが、かといって BOSSとは敵対関係ではなく、それどころか「オールサークル対抗戦」や「JPA」などの団体戦では毎回コンビを組んで出場している、言わば「盟友」である。
ところが・・・
最近になってこの女、プロやSA選手に揉まれるなかでパワーアップしてきた。
そしてついにBOSSに挑戦状をたたきつけてきたのである。
「ほほほ〜。たまには相手になってあげてもいいわよ。ほほほ〜。」
謝罪マッチである。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ビリヤードは「勘違いのスポーツ」である。
今日絶好調でも明日は絶不調。その繰り返しがビリヤードなのだ。
わたしは危惧した。
もしや「じゃこ」は、鼻の高い女になったのではないか?(註:美容整形で鼻の工事をした、という意味ではない)
そうだとすれば、ニョキニョキ伸びたその鼻を折らねばなるまい。
世界中で、鼻高が許されるのはピノキオだけなのだ。
ピノキオは、来た。
すでに勝負は始まっている。
「その前に食事しようか。」
これこそが「食事に誘って酒を飲ませる」という、巧妙なBOSSの常套手段なのである。
「セット数だけど・・・オレはこのところ連戦連敗のダメ男なんです。家では腹をへらした子供が段ボール箱の中で待っている・・・ああ、オレはどうすればいいんだ・・・」
泣き落とし作戦も追加してみた。
策略と陰謀の実業界に生きるピノキオに通用するや否や。
「7ー5でいいわよ。」
ピノキオはあっさり罠にはまった。それにしても「7ー5」とは・・・
「城南の虎」と呼ばれるBOSSの脳裏を「斜陽」という言葉がよぎった。
というのはウソである。
やったやった♪
7ー5だって♪
ば〜かば〜か♪
だが、喜びすぎて酒をたらふく飲んだのはBOSSの方だった。
前哨戦は1勝1敗。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
勝負はあっさり7ー2でBOSSの勝ち。
最後の9番がポケットに吸い込まれた瞬間、じゃこは泣き崩れた。
「君もよくがんばったよ。泣くがいい。歴史は今、始まったばかりなんだ。」
泣き崩れるじゃこにトレビアンな言葉を投げかけて、BOSSは店をあとにした。
一陣の風が吹き抜ける。
その風は、骨肉の争いを制したBOSSのあかるい将来を予見するような「フォローの風」だったのである。
「じゃこ」謝罪文↓↓↓
http://ameblo.jp/jaco/entry-10023234387.html
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