池田淳一を破門するにあたり、BOSS派の正当性をご理解いただく意味でその理由について述べておきたい。

最初に申し上げたいのは、彼がケタ違いのヘタッピであるということだ。
玉歴６年にして唯一の自慢は、ただ一度だけボーラードでストライクを出したことのみである。（注：スペアーは一度もない）
以前、他店の試合で３個連続でポケットインした時などは場内が騒然とした。
だが、７・８・９を入れればいいものを、誤って６・７・８を入れたために、かれは負けた。
サルに因数分解を教えるよりも至難といわれた彼のB級挑戦をBOSSは引き受けた。
だがBOSSの試練の日々が始まるのは実にこの時からだったのである。

まず引き玉を教えることにした。
BOSS「まんなかよりもちょっと下を撞けば引けるよ。やってごらん。」
そのとき、事件は起きた。
池田淳一が異議を唱えたのである。
淳一「BOSS、あんたは下を撞いて引けばいい。けどオレは

愛の力で引きます！」

あぁ、今になって思えばこの時破門にするべきだった。
わたしは言いたい。
「５０を過ぎたおっさんが愛を語るな！」

その後も彼は謎の言動を繰り返した。
もはやそこには「向上心」のカケラもなく、その言動はカルト集団の教祖を想わせた。

だが、名誉のためにもこれだけは言っておきたい。
わたしは決して「ヘタッピ」を理由に池田淳一を破門するのではない。

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６／１３のLC級戦は、第１回大会ということで他店からの参加者も多く店内はピリピリとした雰囲気につつまれていた。
そんな中で事件は起きた。

池田淳一は下図のようにポケットインした。

まあ、どうということもない。
ここまではよかった。
彼の破門を決定的にする事件はこの直後に起こった。
彼はポケットインした瞬間叫んだのである。

場内は静まり返った。
？？？？？なにが失礼なんだろう？？？？？

一部始終を見ていたBOSSは怒りと恥ずかしさに身悶えした。
池田淳一よ。
「失礼」ってあんた、じゃああんたはどこを狙っていたんだい？
あん？

「破門です。」

思い起こせば、かつてわたしには人間離れした弟子がひとりいた。
約３０分教えたが、信じられないことにその人はついに一度も手玉を撞けなかった。キューの先が、タップが、手玉に当たらなかったのだ。
わたしは３０分で破門した。
この人と池田淳一は、わたしのビリヤード人生の中で燦然と輝く「デビルの星」である。

あぁ星落秋風五丈原。
部下や弟子に恵まれなかった晩年の諸葛亮孔明の嘆きが、今わたしにはわかる。