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キューのセンス





 

問題は上の写真であります。
いったいこれは何であるか?

 

いえいえ、もちろんこれはキューです。
わたしが疑問に思うのは、どんな人が、どのような悲しみに襲われた時こういうデザインのキューが生まれるのか、ということであります。

地の青色になにか意味があるのか? 
黒と白の奇妙な図形は古代ム−大陸の呪いなのか?
もしかしたらビン・ラディンからのメッセージでも隠されているのか?

このデザインは、少なくともわたしの目には「おてもやんの前掛け」にしか見えないのであります。
六十余州に類をみないセンスの悪さといえましょう。

 

◇ ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

皆さまは思われるでしょう。

「たしかにこのキューのデザインは最低だ。だが人には好みがある。デザインが気にいらないからといってそこまで攻撃しなくてもいいではないか。」

ごもっとも、であります。
でもわたしには、攻撃せずにはおれないかなしい事情があるのです。

 

・・・・・

 

かなしい事情。

それは、このキューの持ち主が、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしの息子

だからであります。

 

子供にこういうキューを見せられたら、あなたはどうしますか?

(1)泣く
(2)笑う
(3)そっとしておく
(4)病院に連れていく

一瞬選択にまよったわたしでしたが、無難な(2)を選びました。
そう。
わたしはただヘラヘラ笑っていたのであります。

 

息子はインターネットオークションでこのキューを購入したそうです。
キューとキューケースがセットで4000円。
わたしの記憶ではキューケースの方はたしか5000円の品物だったはずですので、キュー本体の値段は、

4000円− 5000円=マイナス1000円

ということになります。

 

マイナス1000円という値段についてわたしはこの2〜3日考えているのですが、例えばこのキューをプレゼントすると、プレゼントされた人は1000円の損になるのでしょうか?
プレゼントされた人が損する、というのはあってはならないことですので、こういう時はキューと1000円 とを渡すべきなのでしょうか?

売る場合はどうなるのだろう。
「買った値段の半額でいいよ。」などと言ったらたいへんなことになります。
なんといっても買った値段はマイナス1000円なのですから、半額というと、キュー+2000円でいいのか? それともキュー+500円なのか?

 

むずかしい問題であります。


 




 

上の写真は、このキューの性能実験であります。
使用球は硬式野球ボールです。
意外にも、実験結果は「まあまあ」でした。

 

オークションに出品されていた中には、撞いた瞬間キュー尻がピコピコ光るような物もあったそうです。

撞くたびにピコピコ光ったらちょっと恥ずかしいと思ってこれにした。」

あのなぁ・・・息子よ・・・
ピコピコ光るキューは「ちょっと恥ずかしい」のではない。
それは、

 

 

 

 

 

 

とても恥ずかしいキューなんだよ!

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

フィリピン選手が日本の試合にちらほら顔を出しはじめたのは1980年代後半あたりからだったでしょうか。
試合会場でキューを組み立てるのですが、アメリカ選手のキューはどれも立派なもので、象牙や貴金属をちりばめたキューを片手に彼らは堂々としたものでした。

と、会場の隅のほうでコソコソやっている連中がいる。
それは時価800円くらいのキューを隠れるようにして組み立てているフィリピン選手団でありました。
さすがに恥ずかしかったのでしょう。

ただ彼らは鬼神のように強かった。
試合後、近所のビリヤード店に移動してプロ同士の賭け球がはじまるのですが、800円のキューを持ったフィリピン選手が近付いていくと、100万円のキューを持ったアメリカ選手が逃げ回っている。
それはじつに壮観でありました。

 

その当時エフレン・レイズが使用していた推定価格800円のキューが、最近インターネットオークションで150万円で落札されたそうです。
150万円という値段はともかくとして、このキューを落札したファンの気持ちがわたしにはわかる気がする。
わたしだって子供のころ、プロ野球選手のサインボールを握りしめて寝たことがあったのですから。

 

現在日本には数百名のビリヤードのプロがおられるそうですが、彼らが使用したキューにプレミアがついたという話を聞いたことがない。
けれども、本来プロ選手の究極の目標はこういうところに置かれるべきだと思うのです。
ファンは常にドラマを求めている。
いつの日にか、ファンの心をとらえて離さない魅力あふれる選手の出現を待ち望んでいるのは、わたしだけではありますまい。

 

 

 

 
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