上図の球をどう処理すればいいのか、という問題であります。
狙って入る球がない。
ま、高級な物理学を導入すればいずれかの球を入れる方法もあるのでしょうが、それは人智の範疇を越えております。
これがセットマッチの場合でしたら迷わずセーフティーでしょうが、5ー9(ジャパン)では全国的にセーフティーは禁止されております。
さあどうする。
ここで登場するのが「やたけ」であります。
1番に当てること自体は簡単ですからここはもう南無八幡大明神、運を天にまかせてフルショットあるのみです。
なにかの拍子に点球がサイドにでも入れば、またその後取り切れば、さらに次にマスワリが出れば、しばらくは遊んで暮らせることでございましょう。
このようなショットを称して主に関西地方では「やたけ」、関東地方では「シバキ」と呼んでおります。
気になるのは「やたけ」の語源です。
関西地方の年配の方と話しておりますと
「やたけた」
という単語が登場します。
これは「無茶苦茶」とか「でたらめ」というような意味合いで、たとえば
「そんな無茶苦茶なことがあるか。」は
「そな、ヤタケタなことがおまっかいな。」と翻訳されます。
どうやらこの辺りが語源でございましょう。
さて問題は「やたけ」が炸裂してポケットインした時どのような態度をとるべきか、であります。
わたしの経験上申し上げますと、3つに大別できます。
(1)さも当然な顔でそのまま続ける。
(2)全身で喜びを表現する。
(3)ひたすら謝る。
まず忘れてならないのは、「やたけ」で入った球は100%「マグレ」である、という事実であります。
従って狙って入れたがごとき(1)の態度は「キザ」と呼ぶべきで、多くの場合人に嫌われます。
意外に少数派が(2)ですが、ひたすら謝る(3)がけっこう多い。
しかしながら、ビリヤードでフロックを出すことは犯罪ではないし、第一大して悪いとも思っていないのに「すみません。ごめんなさい。」を連発することは明らかに「うそ」で人として間違っている。
結局のところどうすればいいのか、についてはビリヤードの永遠のテーマでしょうが、わたしの場合は
「一発芸」をブチかます
これを推奨しております。
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