片岡久直プロ(JPBA)であります。
通称「片やん」。
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い、いかん! まちがえた。
左:BOSS 右:片やん
片やんは現在でも第一線で活躍する名プレイヤーであります。
約30年の長きに渡って第一線で戦い続けるのは並大抵のことではありませんが、かれは9ボールだけではなくエニーもキャロムも極めた、そういう全てを原動力にしているのでしょう。
「発想の幅」で、かれの右に出る者をわたしは知りません。
だが、おそろしく頑固な一面もあります。
上の図が「片岡出し」であります。
1番をパツンと弾かせてワンクッションで2番に持ってくる。
わたしは片やんと知り合って20数年になりますが、20年前も今もこれしかやらない。
この球が特殊な球というわけではありませんが、この球を見るといつも片やんを思い出すので「片岡出し」と呼んでいるわけです。
ええ、ええ、わかるんですよ。
かつては「これ以外はビリヤードではない」と言われた時代がありましたから。
でも、生来アマノジャクのわたしはワザとこんなことばかりやっておりました。
しかも片やんとの対戦では特に多用した。
相手がプロであろうが鬼であろうが戦う以上は勝ちにいくわけですから、相手の土俵で戦うことを避けるのは勝負の鉄則ですんでね。ふっふっふ。
だから片やんは今でもわたしの球を認めておりません。
「あんなのは球じゃない。」というわけです。
天下の片岡久直にわたしの球について語らせること自体が名誉でありますが、わたしは今でも試合に行くとパチンパチン撞く相手にはトローリトローリやりますし、キューが効かない相手だとヒネリまくったりしますが、これは「駆け引き」といいますか「勝負のアヤ」であります。
『BOSSのつぶやき』
あのね片やん。
わたしも「片岡出し」はできるんですよ。20センチくらいの誤差でね。
でもあんた、10センチ以内の誤差でこれをやるでしょ? それじゃわたしゃ勝てん。
ってな事情で、あの手この手で苦心してるわけですよ。
認めてくれなくてもいいから、いいかげんに「努力賞」くらいくれっ!
肝要なのは「リズム」でしょうな。
1番をパツンと弾かせる、手球がトロトロ転がる、止まる、次の球に対して構えに入る。
このあたりの「間」といいますかリズムが片岡流ビリヤードなわけです。
「あんたの球をちょっと書くよ。」
片やんに連絡したら、
「やれやれ。あんたが書くってんなら仕方ない。全て諦めた。」
そのように申されました。
潔い男であります。
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