池田淳一を除くすべてのビリヤードプレイヤーが立ち入ることを許されない「異次元」のショットである。
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池田ショットを「フロック」などと軽々しく呼ぶのはまちがっている。
才能はかれ果て肉体も視力もおとろえた彼が、数年間の試行錯誤の末に編み出したドリームショット!
それこそが「池田ショット」なのである。
試合で池田ショットを食らった時のショックは、初めてサエギナールの曲球を見た時のショックを上回るであろう。
池田淳一は言う。
「池田ショットを成功させる秘訣は厚みやヒネリではない。
それは愛である 。」
さらに彼は言う。
「1番や2番を入れたところで何の足しにもならん。どうせ9番まで取りきれないのだったら相手が取りきる確率を下げる意味でも入れない方がマシ。ここに池田ショットの究極の真理がある。」
自らの腕を知り尽した彼の言葉は深い。
かつて私はハウストーナメントで池田ショット3連発を食らい、負けた。
その時わたしの脳裏を一瞬よぎったもの。
それは「殺意」であった。
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