世の中には不思議なことが多い。
風も吹いていないのにリンゴが落ちたり、シロが庭を掘ったら小判がザックザックだったり、女の部屋に行ったら知らない男が出てきたり、例をあげたらキリがありません。

皆さんはこういう経験はありませんか。
夜飲もうと思って冷やしておいたビールが、冷蔵庫をあけたらなかった。
ポケットに入れたはずのチケットが、コンサート会場に到着したらなかった。
あるはずのモノがない、というのはちょっとしたショックであります。
だがこんなのは原因が知れている。
ビールは冷蔵庫ではなくお腹に入れたのだろうし、チケットはタンスかテレビの上に置きっ放しにされているにちがいない。
ただの勘違いであります。
だが勘違いではなく間違いなくこの間まであったものがない。ある筈なのだ。おかしい。何故ない？　怪奇現象のような事件がある。
それが「ババアの月経」であります。

皆さんは思っておられるでしょう。
「ババアの月経が怪奇現象だということはわかった。で、それがビリヤードと何の関係があるんだ？」

よろしい。お答えしましょう。
まず上の写真をご覧ください。
これは簡単だ。７番をサイドに入れて手球をトロトロっと転がしておけばあとは８番、そして９番。１セットGETは確実であります。
あなたは笑いをかみ殺して７番を撞く。手球はトロトロっと前に出る。
完璧だ！
あなたは大して塗る必要のないチョークを塗りながら念のために８番の正面に立つ。
そして初めて気付きます。

げっ！！！

８番が通っていない。

ど、どうして〜？　えぇ〜？　
これ・・・さっきまであったのに・・・ええ、ありましたとも・・・いやいや本当に・・・何故?　どうして? 　WHY?
ちょ、ちょっと・・・・・９番の形おかしくない？

「天国から地獄」

あるはずのモノが、ない。あなたはプチパニックに陥るに違いありません。
だがビリヤードは紳士のスポーツです。取り乱してはいけない。

そこであなたはポソリと呟くのです。

「ババアの月経か・・・・。」