上の図であります。
ヒルヒルでこんな球をもらったらあなたはどうしますか?
(1)泣く
(2)タオルを投げる
(3)1曲歌う
(4)帰る
いえいえ、今回はマジメなお話です。
実際これと似たような球はちょくちょく登場します。
さあどうする。
というわけで・・・
(1)クッション → 当らずゲームセット
(2)マッセ → 曲らずゲームセット
(3)セーフティー → 失敗してゲームセット
う〜む・・・
困りましたね。
こうなったら「確率」で考えるしかありません。
まず「クッション」です。
この場合ですと9番の位置がじつに微妙で、少なくとも「当れば入る」というわけにはいきません。
当るには当ったが入らなかった。
「あ〜〜! 惜しい〜〜!」
観客の大声援を思い出に、あなたは試合会場を去ることになります。
次に「マッセ」ですが、そもそもマッセ自体高等テクニックです。
しかもこの配置ですとグランドマッセになりますので、難易度を「松・竹・梅」で表すとすればまちがいなく「松」です。
とてもヒルヒルの場面では使えない。
こうして消去法の結果、
「じゃ、セーフティーでもやってみるべえか。」
という結論になります。
だがこれがむずかしい。
●手球を右に出すと即スクラッチ。
●9番の左に薄く当てても、セーフティーになりにくい。
●9番に厚く当てるのはプッシュになるのでわけがわからない。
条件が多すぎるのです。
第一「9番セーフティーの宿命」とでも申しましょうか、仮に「縦バンク」を残したとしても、そのバンクを入れられればゲームセットなのですから「完璧なセーフティー」はあり得ないのです。
いや、あります。
たったひとつだけあります。
「完璧なセーフティー」
これです。
手球をコーナーのツノにカマセるのです。
これで一気に形勢逆転。
対戦相手はマッサオになることまちがいナシです。
さて問題は、どうやってこの配置にするのか、ということであります。
手球のコントロールをほんの少しでもまちがえればスクラッチ。あっという間に奈落の底なのですからまさに「究極」のデリケートなショットが要求されます。
ここで登場するのが今回の「特殊ショット」であります。
シャフトの先っぽを持って手前に「チマッ」と撞くのです。
9番がほんの少しだけ浮いているのでセーフ自体はどうにかなりそうだ。
つまり本来の撞き方よりもこちらの方が「ミリ単位」のコントロールをしやすい、ということなのです。
横から見るとこういう感じになります。
じつはこう見えてけっこうむずかしいのですが、後は練習次第ということにしておきましょう。
ただし問題があります。
このショット時のスタイルであります。
なんといっても「セコい」印象はまぬがれません。
これは痛い。
おばあちゃんの内職のようにビリヤード台にへばり付かなければいけない上に、きっと猫背になっていると思われる。
もしあなたが「カノジョ」の前でこのショットを披露したら、フラれる可能性はひじょうに高いといえます。
ここは考え所です。
あなたが「球」を選択するのであればこのショットを使えばいい。
しかしながら「球」よりも「カノジョ」が大事であれば、潔くズドンとスクラッチされることをお薦めいたします。
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