みなさんは初めてビリヤードに行かれた時、「まんなかを撞け。」と教わりませんでしたか?
(1)まんなかを狙う。
(2)厚みを合わせる。
(3)撞く。
それでうまく入った時の快感といったらありません。ええ、ええ。よくわかりますとも。なんてったってそれがビリヤードの醍醐味なんですから。
あなたは毎日球屋に行き、まんなかを撞き続けます。
「うむ。けっこう入るようになってきたぞ♪」
思わずニンマリ笑ってふと隣の台をみると、「センター初球」をグイーンと引いてスクラッチさせているヤツがいる。
「な、なんじゃ? あれは。」
手球を呑み込んだ穴が、あなたの目には「神の住む穴」のように輝いて見える。
ここであなたは「押し」と「引き」に目覚めます。
あ、あれをやってみたいっ!
キューミスを連発してタップがぼろぼろになっても、あなたは下を撞き続けます。
「うむ。まあまあ引けるようになってきたぞ♪」
思わずニンマリ笑ってふと隣の台をみると、煙が出そうなほどの猛烈な勢いで横に回転している球がある。
「な、なんじゃ? あれは。」
摩訶不思議な動きをする手球が、あなたの目には「天の池を泳ぐミズスマシ」のように見える。
ここであなたは「ヒネリ」に目覚めます。
あれをできたら自由自在だっ!
なんだかよくわからないが、あなたは横を撞き続けます。
朝から晩までオツムの中では白い球が回っている。
そしてあなたはバラバラになります。
やっと『ヒネリ』を覚えたあなたに、上級者は意外なことを言います。
「まんなかを撞いて入れるヤツは強い。」
「な、なんだと〜! 話が違うじゃねえかっ!」
日本むかし話『まんなか村』
むかしむかし『まんなか村』っちゅうまずしい村に
五助どんっちゅう猟師が、犬の「たま」といっしょに住んでおったそうな。
じゃが 『まんなか村』には獲物がおらなんだ。
五助どんはその日も手ぶらで帰ってきたそうじゃ。
「ああ、どぎゃんもならんばい。おーまいがっとじゃ。おら、どうすべえ。」
こまった五助どんは『まんなか村』を捨てて『おしひき村』に向こうたそうな。
そしたらウサギが一匹獲れたんじゃ。
「やったどー、たま。ウサギじゃウサギじゃ。」
「わんわん」
『おしひき村』にはウサギがいっぱいおったそうな。
じゃがそのうちに、それもおらんようになってしもうた。
こまった五助どんは『おしひき村』を捨てて『ひねり山』に向こうたそうな。
(書いててだんだん恥ずかしくなってきた・・・ちょっと休憩)
『ひねり山』には獲物がどっさりおった。
「たまー。いのししもおるぞー鳥もおるぞー。」
「わんわん」
よろこんだ五助どんはどんどんどんどん『ひねり山』の奥のほうに向こうたそうな。
そしたらそこには
『まんなか村』があったそうじゃ。
(おしまい)
なんだかんだ言ってもビリヤードの基本は「まんなかを撞く」ことであります。
つまり、成長の順路は次のようになります。
(1)『まんなか』
↓
(2)『押し、引き』
↓
(3)『ヒネリ』
↓
(4)『まんなか』
(1)の『まんなか』と(4)の『まんなか』の意味合いはじつはずいぶん違うのですが、それはさておき。
散々苦労して『ヒネリ』を覚えたのに、またしても『まんなか』。
「やれやれ面倒なことだ。でもこれはずっとずっとヘタッピな頃でもできた球だ。どうってことないよ。」
だがここで、不思議な現象があなたを待ち受けておりました。
「ヒネらなきゃ入らん〜!」
すっかり前置きが長くなってしまいました。
「まんなかを撞いて入れる練習法」
今回はそれをご紹介したいと思います。
まあ、いろいろあるでしょうがこれは「BOSS流」です。
上の写真をご覧ください。
これを使うのです。
えっ?
どうやって使うのかって?
こうやって使うのです。
「孫の手」の尻の部分はたいていゴム製ですので、撞いた瞬間ポーンと弾みます。
つまり、「引き」も「ヒネリ」もできない。
イヤでも「まんなか」を撞く以外にないわけです。
少しくらい手球の横を撞いても「ヒネリ」が出ませんので先球の厚みは変わりません。
まあ、普通にキューを持って「まんなか」を撞く練習をしてもいいのですが、本能的についつい「入る厚み」の側をヒネってしまう。
それを防ぐために「孫の手」を持ち出したのです。
わたしの場合は「几帳面な性格」ですのでチョークも塗ります。
尚、この練習法を取り入れておられる方を今までにただの一人も見たことはありませんが、少なくともわたしはスランプの時などは特にこの練習をするようにしております。
被験者が一人だけですので、効能については「謎のベール」に包まれたままであります。
よろしかったらお試しくださいませ。
ちなみにわたしは「孫の手の尻」でマッセもできます。
ま、「熟練のたまもの」ですな。
ふっふっふ
「な〜んだ。結局それを言いたかったのか。」ですって?
その通りです♪
|