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DVDの解説(花谷VS蔵之前)

 

前回に続きまして第2ゲームの花谷VS蔵之前戦です。
わたしはDVD発売後に多くの14−1ファンと語り合ったのですが、このゲームに関して蔵之前さんにジャッジミスがひとつも見当たらない。
まさに芸術であります。
彼の全盛期は30年前ですのでショット自体は衰えているにちがいないのですが、頭脳が衰えることはありません。
「蔵之前の14−1」を堪能してくださいませ。

 

『花谷VS蔵之前戦』

 

『第1ラック』

 

(花谷0−蔵之前0 )撞き番蔵之前(42:07)
常識的には2−10(2を穴前に残す)ー12−5(サイド)のプランが普通だと思います。蔵之前さんは12から行きましたが、これはおそらく手球を11の右側に当てる予定だったのでしょう。
こういう枕付きの球を強打できるのはうらやましい。手が大きいのはいいことです。

 

 

(花谷0−蔵之前5)撞き番蔵之前(43:07)
ここはちょっと考えどころです。
押したのでは手球が読めないので引くのでしょうが、8から撞点引きで6、7と当てて一旦手前の長クッションに入れる予定でしょう。その時に順(右下)を撞くのはブーです。
理由は、右下を撞くと長クッションに入った後に手球が左の方に下がっていってしまうからです。ここは手球を高い位置(右の方)に持ってきたいところです。

 

 

(花谷0−蔵之前7)撞き番蔵之前(43:45)
この局面でのガンは15です。まずはこれを外す必要がある。
その意味で6−15は正しいでしょう。
問題はキーを13にするか5にするかということです。
普通は13キー(ブレイクは11)でしょう。つまり6−15の後、14−3−5−7−13−11ですが、理想は5です。
その理由をちょっと語ります。
まず、13をキーにする場合、7から13にまっすぐ出す必要がありますがその技量が問われますし、13にまっすぐ出たとしてもそこから40〜50センチ正確に引かなければいけません。
5をキーにした場合は7から5をまっすぐにできればストップショットでOKです。
このあたり蔵之前さんの声が聞こえてきそうです。「オレの球を見とけ!」ってね。


 

尚、7から5は箱回し。1クッションは不合格だと思います。


『第2ラック』

 

(花谷0−蔵之前18)撞き番蔵之前(46:47)
その前の箱回しは5に出しにいったのでしょうが、これが弱かったので6−8を行ったものと思われます。
ただ、最初に9を狙ったところから察するとこのコンビを見落としていたのでしょう(笑笑)。
9−5はむずかしいので目一杯キーをかけて6−8をねじ込みましたが、途中の仕草をみると13からキャノンで6−8を狙ったりしている。いろいろあるものです。


 

 

(花谷0−蔵之前21)撞き番蔵之前(47:44)
逆半殺しの押しで2に出しにいきましたが、殺しきれず30センチくらい強くなりました。

 

 

(花谷0−蔵之前25)撞き番蔵之前(49:10)
この試合のハイライトシーンです。
3を入れた後に返す刀でラック内の球を蹴り一気にブレイクまで作りました。結果もすばらしいですが、この発想がすばらしいと思います。

 

 

『第3ラック』

 

(花谷0−蔵之前36)撞き番蔵之前(53:15)
10から少し前に出して、6を入れると同時に9に当ててラックの外に蹴り出しブレイクを作ることができれば最高でしょう。受けは11です。
ただこの場合は10にフリがあるので、手球が6に近付き過ぎるおそれがあります。

 

 

(花谷0−蔵之前37)撞き番蔵之前(53:27)
そこでまずストップして、フリによって14から直引きか箱回しで6に出す予定です。
結果的に箱回しになりましたが、このショットは少し強かったようです。

 

(花谷0−蔵之前38)撞き番蔵之前(53:40)
9から11に出し、11を入れると同時に6に当ててブレイクにする予定だったと思われますが、すこし弱かったのでこの時点でブレイクは5に決めています。
尚、キーの1は下図の右上コーナー狙いですが、このラインよりも左側に出すのはブーです。

 

 

『第4ラック』

 

(花谷0−蔵之前44)撞き番蔵之前(56:07)
ここからの数球こそが「蔵之前の14−1」の真骨頂と思いますので、少しくわしく追ってみます。
まず下図をご覧ください。気になるのは5と10、それと11の位置も
よろしくない。
さあどうしますか?

 

まずは15を入れ、手球は11を蹴って8にまっすぐ出しました。
11の位置も良くなっています。

 

ここから8を入れ、5に出します。5が左上コーナーに通っているのは確認済み。
もし8に対してフリがついた時は12に出し、12を入れると同時に10と5に当ててトラブルを解消する運びになったでしょう。その場合の受けは4です。

 

5から4に出しました。これでトラブルは全て解消しています。「芸術的なプラン」と言っていいでしょう。

 

4を入れて9にチョコンと当てる予定だったのでしょう。9はブレイクに使うにはラックに近過ぎるので少しだけ動かしにいったのだと思います。

 

(花谷0−蔵之前49)撞き番蔵之前(57:22)
10から6に出しにいったわけですが、一見何の変哲もないこの球をあえて取り上げてみます。
多くの選手はこの球で手前の長クッションを使うと思いますが、蔵之前さんは撞点で出しにいきます。
「長クッションを使って球なりに出す方が誤差が少ないではないか。」と反論されると一言もないのですが、このあたりは彼の「ポリシー」と言っておきましょう。


 

(花谷0−蔵之前51)撞き番蔵之前(57:41)
14送りバントキーボール作り。なかなかのエンターテイナー振りを発揮しています。


『第5ラック』


(花谷0−蔵之前58)撞き番蔵之前(59:21)
6からいけばよく割れそうですが、手球のゆくえが読みにくい。そこで12から10に出しにいったのでしょう。

 

 

(花谷0−蔵之前60)撞き番蔵之前(59:50)
15を入れて14に薄く当て手球を上に持ってくる。「ナイス♪」としか言い様がありませんが、とてもこれはおすすめできません。
14に厚く当たったら目もあてられませんし、かといって空振りはむなしい。
ここは15から1と8あたりを狙ってぶち壊し、次の球を拾っていく方が無難です。わたしだったら絶対にそうします。

 

 

(花谷0−蔵之前61)撞き番蔵之前(1:00:43)
ここは11−13が普通でしょう。
蔵之前さんは13をキスインすることで、2、5と1、6のトラブルを一発で解消しましたが、よい子はマネしない方がいいと思います。

 

(花谷0−蔵之前65)撞き番蔵之前(1:01:55)
やっとやってくれました♪ この試合唯一の軽卒なショットです。
6から(Aボール)付近に出し、5−2−8−14の予定だったはずです。

尚キーの8ですが、もう少し14と離れて上の方(中央付近)にあればいいのですが、この配置は意外にむずかしそうです。

 

 

これにて第2試合の解説は終了です。
図を作るのが面倒でしてね。疲れたー。
元気になったら第3試合もやりますが、まずはちょっと寝ます。
おやすみなさい。

 

 

 
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