2007/3/11(日)。
BOSS、立花、志穂の3名は「ミスタースポーツマン中延店」を奇襲した。
この日は他の試合と重なったが、それでも出場者42名。
会場を見渡したところレベルも高い。
水下プロ、翁長プロ、上田陽子プロ
レイナルド、アルトロ、ペレス
その他、腕自慢のアマチュア選手もズラリと顔を揃えている。
「ふっふっふっふっふ。」
BOSSはコーヒーを飲みながら、静かに闘志を燃やした。
この試合に勝てば、
モテモテじゃ〜ん♪
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
スイスイスイと3連勝したBOSSは決勝トーナメントに進出。
トーナメントの「くじ引き」を済ませるとタバコに火をつけた。
午後の光が、かれの彫りの深い顔に陰影をうかびあがらせる・・・
決勝トーナメント初戦の相手はだれであろうか。
いや・・・だれでもいい・・・
どんな強豪が相手であろうが、ヘドの出そうな球を浴びせてあげよう。
ビリヤードの試合でBOSSに当ることは
ヘドの海に沈むことを意味するのである。
「ふっふっふっふっふ。」
BOSSはふたたびニヤリと笑った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
決勝トーナメント初戦の相手が決まった。
BOSSの隣のクジを引いたかわいそうな男。
それは、この男だった。
た、立花〜!!
この愚か者めがっ!!
なぜだ?
なぜ中延くんだりまで来て君と対戦せねばならん!!
おめーの「クジ運」は一体どうなってるんだ?
オーマイ、ガーッ!
こうして決勝トーナメント初戦は、武蔵小山撞球隊の同士討ちになったのである。
BOSSはクサりました。
「まあまあ。肩でももんであげるわ♪」
仲間割れの危機を救ったのは志穂である。
「BOSSを殺すに刃物はいらぬ。肩のひとつももめばいい。」
と言われるくらい彼は按摩好きなのだ。
ふむふむ、ええあんばいじゃ♪
BOSSは元気を取り戻した。
「よ〜〜し。こうなったら立花をヘドの海に沈めてやる!!」
だが彼は、重大なことを忘れていた。
志穂は立花を応援していたのである。
BOSSの関節ははずされていた。
志穂の「肩もみ」は「関節わざ」だったのだ。
この日はBOSSの誕生日だった。
この国民的慶事の日、かれは武蔵小山撞球隊の「ヒラ社員」との同士討ちを余儀なくされたあげく関節をはずされた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
試合は終わった。
立花と志穂のふたりはBOSSを「トンカツ屋」に誘った。
こういうのを「良心の呵責」と呼ぶのであろう。
BOSSは飲んだ。
そしてかれは、焼酎とヘドの海に沈んだのである。
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