１２ ／１５（土）。
「根性S」はJPA目黒・品川地区の最終戦をむかえた。
現在２位。
対戦相手は１５点差でケナゲに「根性S」に追いすがる３位の「TOM　YAM　KUN」（ミスタースポーツマン中延）である。
最後に１位と２位のチームがプレーオフを戦い、勝った方が地区代表チームとして栄光の「TRI　CUP」に進出するのだ。
まずはなんとしても２位を確保せねばならん。
３ヶ月に及ぶ戦いの総決算ともいうべき重大な一戦である。
まさに天王山。

目黒・品川地区は大混戦である。
（１位）ヒゲナシ　７１７点
（２位）根性S　　６６８点
（３位）TOM　YAM　KUN　６５３点
（４位）スポーツマン魂　６４７点

１位の「ヒゲナシ」は当選確実。問題は２位争いに絞られた。
１５点差ということは「TOM　YAM　KUN」相手に４３ー５７までの負けは許される。
だが「スポーツマン魂」がボロ勝ちする可能性を考えれば、少しでも点を稼いでおきたいところだ。

『この日のメンバー』
●じゃこ（６）
●立川（５）
●ジョニー（４）
●ノリコ・ドンゴロス・ビーナス（３）
●おっさん（２）

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この日、応援団にまわったBOSSは定刻３０分前に会場入りした。
すると、そこではおっさんがコーヒーを飲んでいた。
昼のひかりを浴びて浮かび上がるロマンスグレーのシルエット。
思わずBOSSは叫んだ。

ムッシュおっさん、なぜコーヒーなんだ？

「いやー、今日は朝から人間ドックでね。バリウムを飲んだんですよ、バリウム。で、試合前にビールをひとくち飲んだらこれがマズくってね。そんなわけでコーヒーを飲んでるんですよ。もうこれで３杯目♪」

い、いかんっ！

酒がおっさんか、おっさんが酒か。
酒を飲んでいないおっさんのビリヤードなどは「赤子の手をひねる」よりもたやすい。
それはガソリンの入っていない車と同じなのだ。

「おっさん。コーヒーもいいけど酒を飲め。時間がない。急いで飲め。」
「はぁ？　ボク酒はやめたんだよ。今日はシラフで撞く。」

な、なんだとこの野郎っ！

どうやらバリウムと酒とでは「食い合わせ」が悪いようだ。
シラフのおっさんを前に、BOSSは一抹の不安に駆られた。 　

主将ジョニーは例によって「統計解析」を披露した。
「ま、とにかく、今日はボクの作戦通りにいけば勝てます。みなさんよろしく♪」

大きゅうなったのぉ、ジョニー

「根性S」のメンバーはジョニーを仰ぎ見た。

だが、ジョニーの予定は齟齬をきたした。
初戦のおっさん、二番手の立川、ともにふるわない。
「根性S」は窮地に陥った。

本日のMVP

じゃことジョニーが本日のMVPである。
第１ゲーム、おっさんボロ負け。
第２ゲーム、立川ボロ負け。
ここまで９ー３１。
敗色濃厚な場面で登場したふたりは髪の毛を逆立てた。
「百姓一揆」で武士に立ち向かった勇士を先祖にもつふたりは燃えた。

百姓一揆

４００年の時を経て、今「百姓一揆」の興奮がよみがえる。

「代官所を襲うだー！」
「んだんだー！」
「米じゃ米じゃー！」

『百姓の武器一覧』

鍬

織田信長をも苦しめた百姓の暴動の前に「TOM　YAM　KUN」はひとたまりもなかった。
第４ゲームを終わって４０ー４０。
最後に登場したのが勝率が異様に高い「根性Sの美空ひばり」ことノリコ・ドンゴロス・ビーナスである。
３ー１７で「根性S」の勝ち。

そしてビーナスは７点取った。
ここで４位「スポーツマン魂」の速報が入る。

根性S、プレーオフ進出決定！

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来週はいよいよ手に汗にぎるプレーオフ。
たまたま「ミスタースポーツマン中延」に居合わせた「ヒゲナシ」のメンバーをBOSSは挑発した。

「面倒だから、プレーオフも今日やろう。」

「いえいえ、今日はちょっと・・・」

ふっ。逃げたな。

こうして「根性S」は、まずは一発「ヒゲナシ」にジャブを打ち込んだのである。