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池田淳一窮地を脱するの巻
  




11 /3(土)。
「根性S」はJPA目黒・品川地区の第8戦をむかえた。
なんだかんだで現在2位。
対戦相手は「根性S」の二軍「GMC」である。

 

『この日のメンバー』
(1)BOSS
(2)じゃこ
(3)立川
(4)おっさんこと池田淳一
(5)かおるちゃん

 

弱小チーム「GMC」相手に必勝の布陣である。
「大人げない」との批判もあるだろうが、しかしこの日の注目は勝敗ではなくある一戦に向けられていた。

 

「球歴9年」と「球歴8回」の対決!

おっさんこと池田淳一VSぴろこちゃん

 

これである。

 

 

『第一幕 池田淳一迷走する』

「支離滅裂」を座右の銘とする池田淳一こと「おっさん」は、関東ビリヤード界では有名人である。
以前「おっさん」の名でエントリーした時などは、場内アナウンサーの若者が「おっさん」とは呼びにくいので『おっさんさん』とコールした。
おっさんは『「さん」は1回でいい!』と怒った。
おっさんは幼少の頃から囲碁のプロ棋士をめざして英才教育を受けてきただけあって囲碁は滅法強いが、残念ながらビリヤードの才能には著しく恵まれなかった。

 

なにはともあれ、ビリヤードを始めて9年が経った。
球歴9年、である。もはやビギナーではない。
対するぴろこちゃんは球歴8回目

 

「球歴8回目と言やぁ旦那、こりゃピヨピヨの中のピヨピヨですぜ。お集りの皆さん方はピヨピヨを応援するにちげぇねぇ。いえいえ、こりゃ判官贔屓ってんですかね、江戸っ子の心意気でい。」

 

なにがなんでも負けるわけにはいかない。
おっさんは燃えた。

 

ぴろこちゃんとの対戦が決定したとき、おっさんはふと気付いた。

 

 

 

 

 

「そうだっ! 練習しよう!」

 

 

そんなおっさんに愛の手を差しのべたのがBOSSである。

 

 

「城南のマザー・テレサ」

 

と呼ばれるBOSSは、おっさんに球を教えた。
愛である。
そうだっ! 球は愛なのだっ!

 

猛特訓が始まった。
「おっさん。今の球はまん中よりちょっと右を撞いた方がいいぞ。」
「ちがう! 今のは左だ!」

 

・・・・・

 

そしておっさんは叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「理屈を言うな!」

 

 

 

『第二幕 池田淳一酒を飲む』

BOSSに見放されたおっさんは途方に暮れた。
もし、もしぴろこちゃんに負けたらどうしよう。
わしの9年はどうなる。
しかもBOSSから宣告されていた。

 

 

「ぴろこちゃんに負けたら破門」

おっさんは一計を案じた。

「そうだっ! 新しい師匠を探そう!」

武蔵小山駅の前にゴザを敷いておっさんは座った。
ノボリに書いた。

 

 

 

「ワタシニ球ヲオシエテクダサイ」

 

だが、だれも振り向いてくれない。
池田淳一は酒を飲んだ。
万策つき果てたかれは昭和囲碁界で「カミソリ」と呼ばれた「坂田栄男全集」を並べ始めたのである。「カミソリ坂田」の御利益あるやなしや。

 

 

『第三幕 歴史は始まった』

{第1戦}BOSS(8) VS 島(7)
球歴32年YS国体選手の戦いである。
だが、ビリヤードで車を手放したBOSSと「スポーツマン精神」の島とでは所詮戦いにはならない。ふっふっふ。
「そんなアホなぁ〜。」
ヘドを吐きながら島沈没。

{第2戦}立川(5) VS 勘田(3)
「ヘドロの立川」の異名を誇る立川が絶好調。
適当に撞いた球が全部入る。
なす術もなく勘田沈没。

{第3戦}かおるちゃん(2) VS 黒岩(3)
例によってかおるちゃんは歌って踊った。
猛チャージのかおるちゃんに黒岩マッ青。
明日から黒岩は名字を「青岩」に変えねばなるまい。
というわけで黒岩沈没。

{第4戦}じゃこ(6) VS 白石(9)
静岡オープン優勝、全国都市対抗戦出場通算6期の白石(酋長)に挑む「根性S」のA級対策委員長じゃこ。
椅子にすわってお茶を飲んでいる間に終了。
こりゃどうにもならん。
じゃこ沈没。

 

 

ここまで44ー36でリード。
「根性S」の命運はおっさんに委ねられた。
舞台はでき役者は揃った。

 

 

『第四幕 運命のとき』


 

世紀の一戦は始まった。


ふたりともピヨピヨである。
じつはぴろこちゃんは経験したことのないプレッシャーで神経性胃炎を患い、おっさんは酒で胃に穴があいていた。


池田淳一は奮戦した。

 

 

ぴろこちゃんもがんばった。


前半ぴろこちゃんが走る。
その猛チャ−ジは池田淳一と応援団を沈黙させるに充分だった。

戦いに破れ帰る♪
ふたりのてき弾兵♪

ウェーバーの歌曲が思い出される。
池田淳一のキューは、このまま杖と化すのだろうか。

 

おっさんは唸った。
雨の日も風の日も球屋に通い続けて9年。
ボーラードも15点まで上達した。
球歴8回のピヨピヨにこのまま負けては池田家の名誉はどうなる。

 

炎の思いは叫びになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Want You!」

 

慟哭の叫びは球歴9年の呪いとともにぴろこちゃんを襲ったのである。

 

 

 

そしてこの時、歴史は動いた。

 

 

池田淳一は14ー6でぴろこちゃんを倒し、「根性S」は58ー42で「GMC」を奈落の底に突き落としたのである。

 

 

『第五幕 歴史ははじまる』


 

「根性S」と「GMC」は同じ穴のムジナなので、試合後の食事はいつも一緒である。
前々回は大鳥神社ちかくの「つけ麺」。
前回は「中華」。
そして今回は権之助坂の「ネパール料理」。

 

 

激闘の末「心神喪失状態」になった池田淳一は欠席。
その場にいない者の悪口をいうのは日本の常識である。
メンバーは酒を飲みメシを食って「球歴9年と球歴8回のちがい」について大いに語りあった。
そして3期連続の「目黒・品川地区プレーオフ進出」への決意を新たにしたのである。

 


 
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