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BOSS放浪記(キングドーム編)
  

 



BOSSは大スランプに陥りましてね。
いえいえ、球が入らないってんじゃないんです。
球は入りますよ。ええ、ええ、そりゃもう30年前から入りっ放し♪

 

そんなんじゃなくてね。
何て言うのかねぇ・・・倦怠期・・・

 

そう! 倦怠期にさしかかったんです。

 

だいたいですね。
いい年して球ころがしなんかやってる場合じゃねえよ。
やれヒネリがどうだとか、すとろおくがどうだとか・・・

 

 

 

 

バカ

 

 

わたしゃね。
息子といっしょにビリヤードに行ったことあります。ええ、行きましたとも。
その息子がひとりで大阪京橋の「みやこ」に行くって言ったときも、先回りして田中忍ちゃん(JPBF)に電話を入れましたよ。

「息子に言ってくれ。ビリヤードなんかやってたらロクな人間にならんぞ。ほどほどにしておけ、ってね。」

その時の忍ちゃんの返事を公開しますよ。


 

 

 

「それもそうですね。わははは〜。」(田中忍談)

 

 

こういう心境になるのはなぜか、ってことなんですがね。
こりゃもうはっきりしてます。

それは「マンネリ」です。

美女でも3日見りゃ飽きるってのに、球なんざカップラーメンができる頃にゃ飽きてますよ。

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

この倦怠期脱出にはいろんな方法があるんでしょうが、BOSSの場合ずっと同じ方法です。

それは、

 

「球屋を放浪する。」

 

これです。
知らない球屋にフラリと入っていくんですな。そして知らない相手と撞く。
けっこう新鮮です。
ひとりで入っていくと、たいてい一番奥の便所の近くの台に案内されます。
これも新鮮♪
球屋放浪は効果テキメンの「ビリヤード回春薬」なんです。

 

 

ということで、中野の「キングドーム」に行ったわけです。
有名な店なんですが、なぜか一度も行ったことがない。
それがいいんです。
ここだったら行きつけの店とは遠いし、知り合いがいることはまずあるまい。なんてったって初入店なんでね。

 

フラリと入った。
その瞬間・・・奥の方から叫び声が聞こえたんです。

 

 

「 あ〜♪ めずらしい人が来た〜♪」


 

翁長(おなが)プロ(JPBA)

キ、キミとはいろんなところで会うね・・・

「今日はどうしたんですか? こんな所まで。」
「・・・いや・・・別に・・・」

 

 

セットマッチが始まりましてね。

「あっ、ボクもプロですんで1セットハンデ出します。7ー6でどうでしょう。」

んだんだ。
サカナの尻尾でもパンの耳でも、わたしゃもらえるものは何でももらいますよん♪

 

意外にBOSSはがんばったんですよ。
5ー5でリーチ!
しかもブレイク。

 

 

 

マスワリ1発でサヨナラじゃいっ!

 

BOSSの筋肉は波打った。

 

 

 

 

どりゃ〜!!

 

・・・・・・・・

 

 

なーんにも入らん・・・

「くっ、タテのうまいヤツだ・・・。」

5ー6。ヒルヒルになった。

 

ここでBOSSの必殺技が出た。
泣く子も黙る究極の「口パンチ」である。

 

ほー、翁長クン。キミもなかなかやるねえ。そこでひとつ提案があるんだけどね。この勝負オレが勝ったら「CUES」に書くってのはどう? うんうん、オレは書くよ。5回くらいの連載でね。題名は、そうだな・・・「ハスラー列伝」じゃなくて「ポンコツ列伝」ってのはどう? そうすりゃキミも一躍著名人だぞ。わっはっは。あっ、これいい企画だねえ♪ ん? どうしたの? ブレイクはキミの番だよ。さーて、立派なマスワリでも見せてもらうとするか。

 



 

 

 

翁長プロは、あっさりマスワリされました。

 

・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・

 

 

 

い、いやぁーお見事っ!!

 

 

 
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