わたしはいきなり彼に質問した。
「君は『皇帝』と呼ばれているそうだが、わたしは『BOSS』と呼ばれている。『皇帝』と『BOSS』とではどちらが偉いと思うか?」
彼は答えた。
「BOSSです。」
「皇帝」と呼ばれる男ラルフ・スーケットは、如才ない紳士だった。
JAPANオープンに出場するために来日した彼は、3/17の夜、クラウドナイン(調布)でチャレンジマッチを受けるという。
京王線沿線は、浦賀沖に黒船が出現して以来の大騒ぎになった。
さっそく防衛隊が結成された。
百合野隊長(JBC)以下総勢9名の突撃部隊である。
激闘9時間、突撃部隊が全滅したとき観衆が見たものは、頭まで真っ赤に染め玉台の前で仁王立ちしている「皇帝」の姿であった(かれは頭をまるめているので色の変化がわかり易い
)。
その姿はまさに赤鬼だったという。
「君子危うきに近寄らず」
わたしは積み木で勝負することにしたのである。
帰りの車中でふたたび質問した。
「『皇帝』というくらいだから、『ナポレオン』に改名したらどうだ?」
かれはケラケラ笑って答えなかった。
「じゃ、『ヒトラー』なんかどうだ?」
かれは、さらにケラケラ笑った。
こうしてわたしは国際平和の貢献に失敗したのである。
(注)
くだらん事ばかり書いているとお叱りを受けそうなので、ひとつだけタメになりそうな記事を載せておきます。
ラルフ・スーケット氏が普段最も留意しているのは「玉」よりもコンディショニングだそうです。コンディションが悪いと集中力の維持がむずかしいのでしょう。
彼は食べ物(カロリー)にものすごく気を使います。それはダイエット女性の比ではありません。特に糖分。コーラはダイエットコーラしか飲みません。
別れ際に彼は言った。
「BOSS。また積み木で勝負しようぜ。」
「いや。次はビリヤードだ。言っとくけどオレは強いぜ。」
「OK!」
彼はその日一番の大声で笑った。
ちょっとムッとした。
(お願い)
ピンボケ写真ばかりでごめんなさい。
どなたかいい写真がありましたらお送り下さい。
すぐに掲載いたします。
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