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日本むかし話「うどが行く」

(注:ゆ〜っくりお読みください)

むかしむかしあるところに「うど兵衛」という猟師がおったそうな。
うど兵衛は毎日山に出かけ、妻の「マサカリみあ」は家でお昼寝をしておった。
じゃが、
こころのやさしいうど兵衛は、獲物を見つけても引き金を引けんかった。
その日もうど兵衛は手ぶらで帰ってきた。
「だって、かわいそうじゃん。」
そのたびにうど兵衛はマサカリみあの「かかと落とし」を食らっておったそうじゃ。

 

「このままじゃあいかんばい。」
ある日のこと、そう思うたマサカリみあは、うど兵衛に言うたそうじゃ。
「お前さんも、西嶋村の大策どんみたいな立派な猟師にならにゃいかんとよ。そうじゃ。お前さん、いっぺん大策どんと勝負して来んしゃい。」
うど兵衛は腹を
ぱんっ
ぱんっ
とたたいて答えたそうじゃ。

 

「んだ。」

 

 

ふたりは「びりやあど」っちゅうバテレンの玉ころがしで勝負したそうな。
じゃが、大策どんは村で評判の「びりやあど」上手じゃった。
むかし西嶋村が山賊に襲われたときも「びりやあど」で追っ払うたそうじゃ。山賊の親玉は「えふれんれえず」とかいうヤツじゃったそうな。

 

「5せっとまっち」とやらでやったんじゃが、大策どんは上手じゃった。
うど兵衛はこてんぱんにされたそうじゃ。
じゃが、うど兵衛はたったの1個だけ入れたと威張っておった。

 

うど兵衛が入れた玉は、真っ白でなんにも書いてなかったそうじゃ。

 


 

大策どんは、こ〜んなしぇからしか玉を全部落っことしたそうじゃ。

          (おしまい)


 
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