恐妻家といえばけんちゃんと山名が双璧であろう。にもかかわらず「ペチャンコブラザーズ」の会長に就任できないのは、同じように尻に敷かれるにしても現会長谷やんにくらべると小物の印象をまぬがれないからである。谷やんが男らしく正々堂々と尻に敷かれているのに対し、山名の場合はうまくかわそうとする意図がみえる。
いかん! 若者がそんなことではいかん!
戦え、山名!
フロックを出したときも、「すみません、すみません。」へこへこしている。
このやさしさが 山名の上達の妨げになっている。
かれは今日も家路を急ぐ。その背中はかぎりなく小さい。
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