ビリヤードを始めるのは簡単である。ビリヤード場に行くだけのことだ。
だが中には変わった人がいる。「手ぶらで行っては申し訳ない。」と考えて先にキューを買ったのがくまごろうである。
殺風景な現代にあって 彼女の存在は輝かしい。
教えを乞う謙虚な姿勢、カメラに向かってピースをしてみせる感覚の古さ、ボーラード8点の腕で他店の試合に出場する勇気。
彼女こそはまさに黒田武士の精神を継承する者であろう。
彼女は考える。穴前の球でも考える。筋肉痛になるくらいキューをシゴく。また考える。そうしておもむろに、撞く。
入らない。
だが彼女は胸を張る。「趣味はビリヤードで〜す。」
あぁ・・・
|