元プロボクサーである。
ボクシングとビリヤードに共通点があるようには思えないが、実はパンチが当たる瞬間のグリップと手球を撞く瞬間のグリップのタイミングは似ているそうだ。これは小杉純一から聞いた話だが、彼もボクシング選手だったから或いはその通りなのかも知れない。
だが、ペンキ屋に小杉二世を望んでも無理である。
彼は底抜けに明るいが、残念なことに殴られすぎて頭がイカレている。
わたしは惜しむ。ペンキ屋はもっとガードを上げるべきだったのだ。
彼は球歴わずか1ヶ月だが、穴前の球はまずまず入るようになった。練習も熱心だ。
「そろそろ引き球でも教えてみるか。」菅ちゃんはいろいろ考えている。
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