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モテるビリヤード




「モテるビリヤード」などと命名し、さて何を書こうかと腕組みしてよく考えてみたら、わたしはビリヤードでただの一度もモテたことがないということに気付いたのです。
いまさらながら愕然としました。

 

ちょっと計算してみました。
ビリヤードを始めて33年。
1日平均1時間撞いたとして1年で365時間 × 33年

 

12045時間。

 

えーと・・・1日8時間寝るとして残りの16時間 、つまり起きている時間の全部をビリヤード店にいたとして、

 

約753日。

 

丸2年をビリヤードに費やしておきながら一度もロマンスがないってのは、もはやこれは悪夢であります。
ここまで読まれた皆さんは「BOSSってのは究極のダサダサ野郎じゃねえのか?」とお思いでしょう。
いえいえ、そんなことはありませんよ。
どちらかというと、わたしはモテる方です。
なんてったって

 


 

 

城南のクリント・イーストウッド

 

と呼ばれる男ですから。ふっふっふ

 

◇ ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

 

わたしは飲みに行くとホラばかり吹いております。
職業を聞かれても、ある時は「小説家」、ある時は「売れないホスト」。面倒になって「麻薬の運び屋」と言ったこともある。
運悪くブスが横に座ったりすると、
「職業はルンペンです。新宿公園に住んでます。遊びに来る?」

 

こんなデタラメでもそれなりにモテますが、まったくモテない職業もある。
それは「警察官」と「ビリヤードのプロ」です。
わたしはちょくちょくプロ野球OBといっしょに飲む機会があるのですが、かれらはすばらしくモテますよ。

「あー♪ わたしドームに行ったことありまーす♪」

「イチロー好きなんです、イチロー♪ 今度連れてきて♪」

「えー? 巨人のキャッチャーだったんですかぁ♪ すごーいすごーい♪」

 

わたしの番です。

「BOSSさんはどこのチームだったんですかぁ?」

「いえいえ。わたしは野球じゃありません。ビリヤードのプロです
(じつは「どこのチームですか?」と聞かれて、アメリカ大リーグ『根性S』です、と答えたこともあります。)

・・・・・

かなしい沈黙の後、彼女たちのセリフはいつも同じです。

 

 

 

「はぁ? ビリヤード? なにそれ?」

 


ビリヤードをメジャーに押し上げる第一歩、それは女性ファンをGETすることなのですからせいぜい女性に喜ばれる「モテるビリヤード」を目指さねばなりますまい。
「女性好みのビリヤード」とは何であるか。
それは、

 

派手なビリヤード

 

であります。
球1個分押す、球1個分横に出す。ヒネって殺す・・・

 

ダメーっ!!

 

そういう地味な球では女性の心をワシ掴みにはできません。
そもそも他のスポーツと比べた時、ビリヤードに最も欠けているもの。それは「豪快さ」ということです。
野球におけるホームラン、ゴルフの300ヤードのティーショット。野球もゴルフも知らない人が見ても「すっげー!!」と叫ぶことまちがいなしです。
ビリヤードにはそれがない。
それでも、限られた条件の中で少しでも「豪快さ」「派手さ」をアピールせねばなりません。

 



例えば上図の8番から9番もこれくらいのことをやって欲しいものですな。
これを引いておいて「うーむ。ちょっとヒネリが甘かったな。」 などと呟いているようではビリヤード界に将来はありませんし、あなたにロマンスが訪れることもありません。


 

じゃ、これは?
まさか「ちょっと引いてガマンする。」なんて言わないでしょうね?
えっ? なんですって?
「右押しで穴フリする。」
うむ。まあまあです。
だんだん「モテるビリヤード」に近付いてきました。



 

でも、どうせ「穴フリ」するんでしたら、こちらの方がもっとモテそうですよ。

 

 

これは?
せいぜい左を撞いて、しかも弾かないようにドローンとキューを出す。
ま、いいんですけどね。
ただ、手球が止まるころには女性の8割は寝ているでしょう。


 

これくらいのことはやって欲しいものですな。
「リボイス」です。

 

 

8ボールのお話でもしましょうか。
上図です。
8ボールは1〜7か9〜15を全部入れた最後に8番を入れた方が勝ちです。上図では相手は最後の8番を残すのみです。
さあどうする?

 

 

全国的にこの場面でやることは決まっております。

 

 

だいたいこんな感じになります。
少し解説をしましょう。
相手は8番に当てるしかないのですが、この8番が入る唯一の可能性があるとすれば、左のクッションからの右上コーナーです。
このラインを6番で邪魔したわけです。
それともうひとつは、将来どういう展開になっても6番はどこからでも入れることができる。つまり保険をかけているのです(『受け球』と呼んでおります)。『受け球』を作りにいった、ということです。

 

ただし、この球は「モテない球」です。
あなたは断固としてやらねばなりません。

 

 


どっかーん!

 

そう。6番を入れて左上のカタマリを壊しにいくのです。
いいですねえ♪ 豪快です♪
ぜひぜひ挑戦して下さいませ。
できれば、

 

わたしとの対戦の時にお願いします。うふっ♪

 

「なんじゃい! こんな球を撞いてて勝てるかいっ!」ですって?
はい。勝てませんよ。
だって「おばあちゃんの内職」みたいな地味な球がビリヤードの理想なんですから。
モテるのは「派手な球」、勝つのは「地味な球」。 両立は無理です。
でもあなた。ビリヤードとカノジョとどちらが大事ですか?
わたしだって上図で「どっかーん!」ってやってたころはモテる徴候はありましたけど、「勝てる8ボール」を考え始めた途端に青春は終わってました。

 

ええっ!!
それでもカノジョよりビリヤードの方がおもしろい?

 

わかりました。
それでは「究極の地味な球」をご紹介しましょう。

 

 

上の図。「手球フット」と呼ばれる球であります。
この5番を入れて、手球はクッションに入れない。

 

どう(笑)?

 

ちなみにエフレン・レイズに「先生」と呼ばれた新宿の故後藤氏はこれをできたそうですが、わたしにはできません。
がんばって挑戦してみて下さい。



 
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