この上達法を編み出したとき、わたしはPCが傾いて見えるほどベロベロでした。
(註:申し上げるまでもありませんが、傾いていたのはPCではなくわたしです)
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わたしはビリヤードに行くと必ずビールをいただきます。
暑いときにちょっと咽を潤す程度であればいいのですが、どうもついつい限度を越えてしまうこともあるようです。
知人に大酒飲みがおりまして、この男は週に約10時間コンスタントに球屋に通いつづけて9年になりますがボーラード15点から一向に上達しない。
「上達しない才能」というものがあるとすれば、かれこそは「世界史上の天才」ですが、ま、10時間のうち9時間半は椅子に座りこんで焼酎を食らっているので上達する見込みはない。
かれの場合は自分がプレーするよりも他人の勝負をみることのほうが好きなわけで、これはこれでビリヤードの楽しみ方のひとつといっていいでしょう。
酒は人生のオアシスでありますがオアシスが洪水になることもあるらしく、少し以前に球屋でベロベロに酔っ払ったわたしは
「芸者を呼べ。」
などと駄々をこねて店員さんを困らせたことがあるのですから、他人の酒をとやかく言える立場にはございません。
そもそもビリヤードに行って二日酔いになっていたのでは話にならん。
ある日、重大なことに気付きました。
わたしは球を見るとビールが欲しくなり、ビールを飲むとビリヤードをやりたくなる、そういう特異体質になってしまったのであります。
犬が鈴の音でヨダレを垂らすのと同じ理屈だそうです。
不思議なもので、同じ酒でもたとえば日本酒ではビリヤードには繋がらない。
例によってここで閃きます。
わたしは考えました。
こういう現象を利用したビリヤード上達法はないものか。
ありました。
名付けて
「条件反射上達法」
説明しましょう。
どんな名人でも好不調の波がある。 当然ビリヤードにも調子のいい日と悪い日があります。
そこで、 絶好調のときには必ずコーラを飲むことにする。
ナイスショットの後にはコーラ。
マスワリできたらコーラ。
マッセが成功したらコーラ。
ただし不調のときには飲んではいけない。
これを数カ月続けてから試合に行くのです。
初戦の相手は有名な強豪だ。 まともにやったのでは勝ち目はない。
そこであなたはコーラを飲みます。
あら不思議! 絶好調! 今日のわたし、どうなってんの? ・・・
いえいえ、コーラでなくてもいいんですよ。
たとえば・・ん〜〜・・そうですね・・
ナイスショットのあとに「白髪を抜く」。これでもいいです。
あとの段取りはおわかりですね?
そう。
普段から白髪を抜きつづけて、大事な試合の前にプチッと1本抜く。
完璧です。
ただしナイスショットが1万回も出たころには、あなたの頭はたいへんなことになっていることでしょう。
自信満々のわたしは、スポーツ医学の先生に連絡しました。
「先生。画期的なスポーツ上達法を編み出しましたよ!!」
●先生の結論
「上達の秘訣は練習することです。ま、コーラもいいですけど、横着してはいけませんよ。」
あっそ。
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