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ビリヤード上達法4
   (スーパー引き球体得法)

 

皆さんはボーリングの後にビリヤードに行かれたことはありますか?
なに? ある?
で、どうでした?
わたしの推測によりますと、たぶん普段の実力の半分も発揮できなかった、というかさっぱりダメだったはずであります。

 

そうです。
少なくともわたしにとって、ボーリングはビリヤードの天敵なのであります。
大事な試合の2、3日前になりますと、最後の調整をしてみたりちょっとジョギングに出かけてみたり、まあこのあたりはいろいろな方がおられるようですが、ボーリングに行くという人をわたしは知りません。

 

ボーリングがなぜ天敵なのか?
理由ははっきりしている。
それは「握力の低下」であります。
ご存じのようにボーリングの球は、親指・中指・薬指の3本の指を穴に入れて投げます。
親指はいいとしても中指と薬指が疲れてしまうのでグリップが効かなくなり、これがビリヤードに悪影響を及ぼすのであります。
この悪影響の結果は、特に引き球に顕著に現われます。
ロングドローどころか2ポイント引くのがやっと。これではビリヤードにならない。
張り切って16ポンドの球を5ゲームも投げた人は、おそらくボーラード100点をクリアできることはありますまい。
もしその状況で200点出す方がおられましたら、それはすでに
「ヒト科」
ではありません。

 

    




 

上の写真をご覧ください。
これは握力を増強させるための器具でずいぶん昔からありますが「ハンドグリップ」と呼ばれているそうであります。
今回のビリヤード上達法の鍵をにぎる一品。
それこそがこの「ハンドグリップ」なのです。

 

かつてボーリングの後にビリヤードに行ったわたしは、しばらく立ち直れないほどの惨敗を喫しました。
物事に没頭しやすいわたしのことですから、16ポンドを10ゲームくらい投げたのかも知れません。
中指と薬指がまったく言うことをきかず、引き球はもちろんのこと押し球までがガタガタだったのであります。

 

ところが、例によってここで閃きます。
わたしは考えました。

 

「 中指と薬指が疲れると引き球ができない。ということは、中指と薬指を鍛えあげればスーパー引き球を体得できるのではないか?」

 

ああ、なんとすばらしい「逆転の発想」!
ああ、汲めども尽きぬこの才能!
ここに至って、わたしは自分が天才であることを確信したのであります。

 

猛トレーニングが開始されました。
わたしは家にいるときだけでなく外出時はポケットに「ハンドグリップ」を忍ばせて、ヒマさえあればカコカコ握り続けたのです。
それはクルミを2、3個握ってカリカリやっている年寄りと似ておりましたが、しかしわたしの胸は大きな夢に膨らんでいたのです。

 

「世界引き球選手権! 優勝はミラクルBOSSー! ジャパーン !」

 

なんという感動的なシーンでありましょう。
わたしの脳裏を、ある男の風貌がよぎります。
「世界引き球選手権」の決勝で必ずや対戦することになるであろう、あの男。
わたしは心のなかで、その男に向かって叫んでいたのであります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「カモ〜ン! サエギナール!」

 ◇       


異変が起きました。
「ハンドグリップ」をカコカコ握り続けて1ヶ月ほど経ったころ、わたしは猛烈な首痛に襲われたのであります。
前兆はありました。
半月経ったころから確かに首に違和感はあったのですが、1ヶ月目にはビリヤードに行ってもまともに構えられないほどに悪化していたのです。
それは「寝違え」の痛みに似ておりました。

 

原因はすぐに判明しました。
それはトレーニング方法の失敗でした。
右手の中指と薬指を強化したくて「ハンドグリップ」を握り続けたわたしでしたが、左手は何もしなかったのです。
左手の握力などはビリヤードに必要ないので省略したのですが、これがいけなかった。
日夜鍛え続けたわたしの右腕は太く重くなり、その結果右腕と左腕の重量バランスが狂って、それが首を直撃したのであります。

 

わたしはもう少しで泣くところでした。
「同じように左腕も鍛えて、太く重くすればいいではないか。」
皆さんはそうおっしゃることでしょう。
ごもっとも、であります。
しかしながら、その気力はわたしには残っていませんでした。
絶望の淵に立たされたときわたしが選んだ道。
それは、左腕を太く重くすることではなく、何もしないでひたすら右腕が細く軽くなるのを待つことだったのであります。

 

(註)本文中の「世界引き球選手権」は実在しません。

 

 

 


 
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