2004年11月18日(土)20:00から忘年会が開催された。
毎年のことながら武蔵小山撞球隊の忘年会はデタラメである。
メンバーの中にはけっこう高学歴の者やエリートがいたりするのだが、その宴会風景には品性のカケラもない。
ビデオに収録したら、職を失う者や離婚する者が続出するにちがいない。
したがって通常の店ではお隣さんに多大な迷惑がおよぶので、例年通りニコスの近所にある地下のラウンジを貸し切りにした。
カラオケが登場した頃、曲はとっくに終わっているのに一人で歌い続けるおっさんがどの店にも必ずいたものだが最近は見かけなくなった。
日本国民の歌のレベルが上がったのだろう。
実際、武蔵小山撞球隊はそれなりに皆うまい。
だが圧巻はやはりチョモさんの「メリージェーン」だった。
マイクを軽く握った彼は、ケタ違いの声量とリズム感でプロシンガーの貫禄を示すとともに
「ビリヤードのリズムはワルツである。」ことを証明してみせたのである。
忘年会は簡単には終わらなかった。
その後ニコスに舞い戻ったメンバーは再び玉台に群がった。
余力のある者は玉を撞き、直立歩行困難な者は寝た。
玉の音とイビキ声は、不夜城ニコスで見事なハーモニーを奏でたのである。
ちょうどその時、一人の客が入店してきた。
一見客である。
運の悪い人はどこにでもいるものだ。店内では3人のおっさんが寝ていた。
彼は寝ている人を起こしては申し訳ないので、ソローリソローリ練習を続けたのだった。
なかなか気のきく好青年であるが、彼が再びニコスに来ることはあるまい。
こうして武蔵小山撞球隊はビリヤード人口を一人減らしたのである。
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